下記調査事例は複数の調査をもとに創作したフィクションです。
札幌ススキノが観光客がにぎわう7月。
当探偵社へ牧野香さん(35歳)から夫 豊さん(38歳)の調査を依頼される。
豊さんの仕事はシステムエンジニア、香さんは歯科衛生士をされている。
結婚して4年、子供はいない。
2ヵ月ほど前に香さんは豊さんから突然、離婚を迫られた。
豊さんは「僕はもう一度、人生を見つめなおしたいんだ」、「お互いに嫌いになる前に別れよう」と
まるで納得のできない理由を言ってきた。
香さんは何度も豊さんと話し合いをするが、豊さんの態度は変わらない。
友人などに相談すると誰もが口をそろえて「浮気をしているんじゃない」と言う。
香さんは悩んだ末に一つの結論を出した。
「もし豊さんが浮気をしていなければ、豊さんのいう通りに離婚しよう」と。
そして当社へ依頼された。
さっそく探偵が調査をおこなう。
豊さんは車通勤。
1年前からスポーツクラブに通っている。
おおむね19:00に豊さんは退勤する。
スポーツクラブには土曜日、日曜日以外は、ほぼ毎日、通っているそうだ。
月曜日から調査を開始する。
豊さんは19:30にスポーツクラブに到着し、館内に入っていく。
このスポーツクラブは時間利用もできるため、探偵も館内に入る。
館内に入ると豊さんはすぐに見つかった。
ランニングマシンで走っていた。
しばらくすると、館内で30代と思われる女性とベンチで親しげに話をしていた。
探偵が近くで会話を聞いていると、ただの知り合いではないようであった。
その日は21:30にスポーツクラブを出て帰宅する。
翌日の火曜日も同じパターンであった。
水曜日、豊さんは18:30には退勤をして、19:00にはスポーツクラブの駐車場に到着する。
だが、館内には入らず、既に駐車していた赤い軽自動車の助手席に乗り込んだ。
すぐに赤い軽自動車は走行を開始する。
車はススキノのホテル駐車場に入場し、豊さんとスポーツクラブで親しく話をする女性と二人でホテルに入っていく。
21:00に二人はホテルから出てきて、車に乗り、スポーツクラブに戻った。
豊さんはその赤い軽自動車から降り、手を振って自分の車に乗り込み、それぞれの車が駐車場から出ていった。
さらに探偵は調査を続ける。
女性の名前は稲葉景子さん(35歳)、既婚者であり、職業は香さんと同じ歯科衛生士。
夫は函館に単身赴任している。
景子さんが半年ほど前にスポーツクラブに入会し、ほどなくして豊さんと親しくなったようだ。
そして関係が深くなっていった。
以上を依頼人である香さんにご報告させていただく。
香さんは豊さんに探偵に調査を依頼したこと、景子さんとの関係を知っていること、
景子さんが既婚者であること などを伝えた。
豊さんは「景子さんと交際する前から離婚は決めていたんだ」と必死に言い訳を重ねた。
香さんは、景子さんに会い、そして景子さんの夫とも連絡を取った。
香さんはこれから時間をかけて豊さんとのことは考えていくとおしゃっていた。