中島公園にも春が訪れる4月。
帯広市在住の久保田直美さん(38歳)から夫 達也さん(38歳)の調査を依頼された。
達也さんは保険会社に勤務されており、転勤族である。
3年~4年に一度の頻度で転勤になる。
直美さんと達也さんは同じ大学のゼミで知り合った。
札幌の大学を卒業し、達也さんは今の会社に就職、直美さんは札幌の実家の建設会社で働き始めた。
達也さんは入社後、すぐに仙台支店に勤務。
3年ほど遠距離恋愛で交際を続けていた。
達也さんが関西に転勤になったとき、直美さんと達也さんは結婚をされた。
直美さんは実家の仕事を辞めて、関西で結婚生活をスタートさせる。
そのとき、二人は25歳。
その後も達也さんの転勤が続いた。
29歳のときに関東に転勤、そして32歳のとき北海道帯広に転勤となった。
そして長男 一樹君が生まれた。
達也さんも直美さんも帯広がとても気に入った。
そして、二人は話し合いをして、帯広に家を建てた。
達也さんは次の転勤は単身で行くことに決めたのです。
4年後、達也さんは帯広支店より、青森支店に転勤になった。
当初は月に1度は帰省していた達也さんだったが、だんだんと帰省の間隔があいていった。
青森に単身赴任をして1年、直美さんは達也さんの不信を感じた。
夜に電話をしても、つながらない。
LINEをしても、返信が来るのは翌日。
達也さんは「仕事中で電話に出られないかった」「LINEを見ていなかった」など等。
また、以前帰ってきたときに、達也さんが持ってきた着替えの下着に強い柔軟剤の匂いがついていた。
直美さんは、悩んだ末に万が一があれば、早い対処が望ましいと当社へ依頼された。
探偵がさっそく調査を開始する。
探偵は青森に飛び、達也さんの赴任先のマンションを張り込む。
オートロックのマンションのため、状況の確認に時間を要したが、
達也さんは女性と半同棲のような生活をしていた。
女性は阿部麻衣さん(28歳)、達也さんの会社に勤務、そして達也さんの部下であった。
麻衣さんは地域採用で保険の外交員をしている。
実家住まいだったのだが、達也さんと交際を始めて通い妻のようになったようだ。
以上を依頼人である直美さんに報告させていただく。
直美さんもおおよそは想定していたが、やはり事実を知って唖然とされた。
2日後、一樹君を札幌の実家に預け、青森に向かった。
直美さんは達也さん、麻衣さんと話し合いを持った。
達也さんと麻衣さんは交際を止めることを約束する。
直美さんは一度、帯広に帰り、荷物をまとめて青森に送った。
そして探偵の報告より10日後、直美さんは一樹君を連れて青森に引越しをされた。