前田森林公園に夏の陽ざしが照りつける7月。
札幌市在住の佐々木美咲さん(29歳)から調査を依頼される。
依頼は「嫌がらせ調査・ストーカー調査」であった。
美咲さんは夫 翼さん(31歳)と結婚して2年。
美咲さんは看護師、翼さんは高校で教師をしている。
2ヵ月ほど前から、美咲さんのスマホに無言電話が関わってくる。
ときには、ボイスチャンジャ―を使った声で「翼・・・ウワキ」とだけ言って切れる。
当然、いつも非通知であった。
また、ドアポストに「アナタの夫・・・浮気してるよ」と書かれた紙が3度ほど入っていた。
美咲さんが翼さんに相談するのだが、翼さんは「生徒のいたずらだよ」、「何かあったら警察に行こう」と。
そして美咲さんは2つのことを想定していた。
一つは「本当に誰かのいたずら」、もう一つは「翼さんが本当に浮気をしていること」
その点を踏まえ、美咲さんは探偵に依頼されたのだ。
さっそく探偵が調査に入る。
まずは2班に分かれて対応にあたる。
A班は美咲さんと翼さんが住んでいるマンション近辺で張り込みをおこなう。
B班は翼さんの行動を確認する。
翼さんはバスケットボール部の顧問をされている。
そのため、帰宅時間は不規則であった。
調査を開始して5日目、翼さんが午後6時に勤務先の学校を車で出てくる。
車で走行して10分、札幌市中央区のコインパーキングに車を駐車する。
駐車場から徒歩3分ほど移動して、5階建のマンションに入っていく。
午後8時45分、翼さんが同マンションより出てきて、コインパーキングに戻り、そして帰宅する。
その後も翼さんは同マンションへ行っていた。
探偵は引き続き、調査を続ける。
翼さんは同マンション305号室の住人 山田茜さん(29歳)と交際をしていたのだった。
そして、茜さんは翼さんと同じ学校で教員をしている同僚であった。
また、数日後、美咲さんのマンションを探偵が張り込んでいたところ、茜さんが帽子をかぶり、マスクをして、
更に眼鏡をかけて、いかにも怪しい外見で美咲さんのマンションに入っていく。
やはり、メールボックスに怪文書を入れていたのは茜さんだったのだ。
以上を依頼人である美咲さんに報告をさせていただく。
後日、美咲さんと翼さん、そして茜さんを含めて話し合いをおこなった。
茜さんも自分の行為を詫び、また翼さんと茜さんは交際を止めることを誓った。