函館山からの夜景がいっそう綺麗に見える11月。
当興信所へ酒井由美さん(38歳)から、元夫である酒井豊さん(42歳)の勤務先調査を依頼された。
由美さん夫婦は3年前、豊さんの浮気問題で離婚された。
調停で慰謝料、長男 拓也君(11歳)の養育費などを取り決めた。
慰謝料は豊さんが父親から借りて離婚前に払ってきていた。
養育費も当初は決められた日にきちんと振り込んできていた。
だが、4カ月前から豊さんからの養育費が途絶えた。
由美さんは豊さんにLINEをしてみたが、既読にならない。
電話をかけてみるが、「現在、使われていません」とガイダンスが流れる。
由美さんは豊さんの家を訪ねるが、引越しをしていた。
幸い住所は由美さんが豊さんの戸籍を取得して判明した。
豊さんは函館から札幌へ転居していたのだった。
そこで由美さんは豊さんの仕事を確認して、給与の強制執行をすることを決めた。
由美さんもフルタイムで働いてはいるが、長男 拓也君も中学生でお金がかかる時期であった。
やはり豊さんの養育費は必要だったのです。
さっそく探偵が調査を開始する。
豊さんの転居先のアパートから豊さんが出てくるのを確認し、尾行をする。
数日間、調査をおこなった結果、豊さんの勤務先が判明する。
豊さんは札幌市内の建設会社で働いていた。
その結果を踏まえ、由美さんは弁護士に委任し、裁判所の手続きをおこない、豊さんの給与の差し押さえをおこなった。
その後、豊さんから連絡があり、養育費は今後はきちんと払うことを約束した。