九十九山にも春風が舞う4月。
山田真一さん(35歳)からご依頼を承る。
真一さんは札幌生まれ。
仕事は公務員、転勤のため、2年前から士別に住んでいる。
依頼の内容は20年前に別れた継母を探してほしいとの内容であった。
真一さんの父 雅哉さんは真一さんが2歳のときに離婚。
父子家庭で真一さんを育てていた。
真一さんが4歳の頃、父 雅哉さんが尚美さんという女性と結婚する。
真一さんはナオちゃんとよんで慕っていたそうです。
だが6年後、父 雅哉さんと尚美さんは離婚をされた。
真一さんは大好きだったナオちゃんが家を出ていった日を昨日のように覚えているそうです。
ナオちゃんは目に涙をいっぱいにためて、クルマから大きく手を振っていた。
それから25年の月日が流れた。
1年前、父 雅哉さんが亡くなられた。
真一さんは自分の長男が4歳になり、ナオちゃんと初めて会った4歳の頃を思い出した。
ナオちゃんはたくさんのお菓子を手に抱え、優しい笑顔で真一さんの手を握ってくれたそうです。
真一さんはナオちゃんに会いたいという気持ちがこみ上げてきた。
そして当社へ依頼をされたのだった。
さっそく探偵が調査を開始する。
3週間後、ナオちゃんの住所が判明した。
真一さんの継母、鈴木尚美さんは函館市に住んでおられた。
探偵の報告を受け、真一さんはすぐにナオちゃんに手紙を書いた。
3日後、真一さんに電話は入った。
ナオちゃんからであった。
ナオちゃんは「しんちゃん、元気だった」、「連絡くれて本当にうれしい」と泣きながら話していたそうです。
2日後の土曜日、真一さんは奥さん、長男と一緒にナオちゃんに会いに行かれた。