札幌大通公園にも木枯らしが吹き始める10月。
中島優太さん(55歳)から元妻 飯田由香里さん(54歳)からの身上調査を依頼された。
優太さんは以前の調査対象者、そして依頼人は由香里さんだった。
調査を依頼されたのはちょうど25年前。
優太さんの不審な行動が始まり、由香里さんは悩み、迷った末に当社へ優太さんの浮気調査を依頼された。
やはり優太さんは浮気をしていた。
相手の女性は会社の同僚女性だった。
優太さんは由香里さんに何度も謝罪したが、由香里さんは苦慮の末に離婚を決断した。
当時、二人の間には5歳と7歳の子供さんがおられた。
二人は話し合いの末、調停も裁判も踏まず離婚された。
由香里さんはあえて慰謝料は請求せず、養育費の取り決めと面会交流を約束した。
養育費は1人5万円の計 10万円。
その他に就学にかかる費用は一部負担をしてもらうことになった。
優太さんは公務員、由香里さんは看護師であったため、離婚後の生活に優太さんも由香里さんも困窮することはなかった。
離婚後、1年間ほど面会交流の調整のための連絡係を探偵が請け負った。
優太さん 「高橋さん、10日の面会交流はどうですか?」
探偵 「由香里さん、優太さんが10日に面会交流をしたいそうですが、どうですか?」
由香里さん 「10日なら午前10時~午後4時くらいまでならOKです」
探偵 「優太さん、10日の午前10時から面会交流はOKとなりましたよ」
優太さん 「いつもすみません」
など等、そんな橋渡しを探偵はしていたのだが、一年を過ぎる頃に優太さんと由香里さんが直接、連絡を取ることになり、探偵の役目も終了した。
下の5歳の子供も無事に大学を卒業、就職をしたのが、優太さんが47歳、由香里さん46歳。
優太さんからはときおり探偵に連絡がきていました。
季節の話だったり、仕事の話だったり、そんな会話を探偵は雄太さんと25年間、ときおり話をしていた。
そんな優太さんから真剣な声で電話が来たのです。
優太さん 「高橋さん、すごく悩んでいるんですが、もしも、もしも由香里さんに恋人がいなく、
僕のプロポーズを受けてくれる可能性があるのか?を調べてください」
優太さんは途中に迷いが出ないように思っている言葉を早口で言い切った。
探偵も「う~ん 難しい調査ですが、やってみましょう」と引き受けた。
実はその答えを探偵は既に持っていたのです。
探偵は由莉香さんともずっと連絡を取り合っていたのでした。
優太さんは子供の養育費は一日も送れることなく、由莉香さんに送金、子供たちの学費も半分以上は常に捻出してくれていた。
また、子供たちが独立した後も、ずっと由香里さんにあのときに払えなかった慰謝料といって毎月 5万円を送金していたことも由香里さんから聞いていた。
由香里さんも優太さんのことを探偵に聞いていたのです。
「彼、彼女とかいるのかな? いるよねいい人だもんね」と。
探偵は由香里さんに電話をかけ、「優太さんが由香里さんにプロポーズしたいと言っていますよ」とズバリ言いました。
由香里さんは「待っています」と彼に伝えてと・・・・
2ヵ月後、子供たちにも話、二人は2度目の結婚をしました。