大通公園にも秋風が吹き始める9月。
札幌市在住の佐藤由美さん(42歳)から夫 慎吾さん(45歳)の行動調査を依頼される。
慎吾さんは自営業でIT関連業務の仕事をしている。
また、慎吾さんの父が多数の不動産を所有していたが、父がなくなったことによりマンション、アパートなどを相続していた。
あるとき、由美さんは慎吾さんの財布に小さく折りたたんだ手紙を発見した。
「会えないときも、慎ちゃんのことを考えているよ」
「会えない日も心は一緒だよね」 など等と書かれていた。
その手紙を見て、由美さんはこれまでの不信感が考えすぎではないことを確信した。
慎吾さんは自分の所有するマンションの一室を仕事部屋として使っている。
そして半年ほど前から週3日は、仕事部屋に泊まり込みで仕事をすると帰宅しない。
由美さんは当社へ依頼をされる。
さっそく探偵が調査を開始する。
慎吾さんは、マンションの仕事部屋の隣の部屋に女性を住まわせていた。
女性は安達景子さん(38歳)、由美さんと結婚する前に慎吾さんが交際していた女性だった。
安達さんは東京に住んでいたのだったが、札幌に戻っていたのだった。
そして慎吾さんの所有するマンションの一室に住んでいた。
生活費など慎吾さんが捻出しており、安達さんは仕事はしていないようだった。
慎吾さんは週3日は安達さんと過ごし、4日間は自宅で過ごす完全なる二重生活をしていたのだった。
以上を依頼人である由美さんに報告させていただく。
由美さんもある程度は想像していたが、やはり怒りと動揺がこみ上げてきたようだった。
翌日、慎吾さんからマンションの仕事部屋に泊ると連絡がきた。
由美さんは意を決して、安達さんの部屋へと向かった。
由美さんは慎吾さん、安達さんと話し合いをおこなった。
慎吾さんは由美さんに謝罪、安達さんも一ヵ月以内にはマンションを立ち退くことを約束する。
また、慎吾さんもマンションを引き払い、自宅の一軒家を増築して仕事部屋を作ることにした。