白鳥大橋に木枯らしがふく11月。
室蘭市在住の菊池由美さん(35歳)から夫 優作さん(35歳)の調査を依頼される。
優作さんは3年前に父親がなくなり、父が経営していた不動産業を継ぎ、代表取締役となっている。
菊池家には長女(6歳)、二女(4歳)との4人家族。
3年前、優作さんの不審な行動が続き、由美さんは当社へ依頼をされた。
そのとき、優作さんは地域振興会で知り合った長田美奈子さん(33歳)と浮気をしていた。
その際、由美さんは優作さんと話し合った。
優作さんは「もう長田さんとは別れる、今後は一切、会わない」と約束をする。
その言葉を聞いて由美さんは、優作さんの浮気を不問にすることを決めた。
それから3年後、由美さんから探偵に連絡が入った。
由美さんいわく、優作さんが浮気をしているということだった。
探偵は由美さんと会い、状況をうかがう。
由美さんは「なにか優作さんの行動に違和感を感じるということ」だった。
前回のこともあり、探偵はさっそく調査を開始する。
探偵は優作さんに張り付いて調査をおこなった。
だが、優作さんの不審な行動は出てこなかった。
由美さんの思い違いか? と思われたが、そうではなかった。
優作さんは不定期に不動産業の業者会議に札幌へ行く。
土曜日はその会議がある。
当然、探偵は優作さんに密着をする。
会議は午後2時~午後5時までの予定だった。
会議を終えた優作さんはまっすぐ宿泊先のホテルへと向かった。
午後7時、優作さんと長田さんがホテルから出てきたのだった。
二人はタクシーに乗り、ススキノへと向かい、居酒屋へと入っていった。
探偵も同店へ内偵に入る。
奥のテーブル席に優作さんと長田さんがいた。
2名の探偵が店へと入ると、運よく優作さんと長田さんの席の横に通された。
二人の会話を耳を澄ませて聞き、探偵たちは驚いた。
優作さんと長田さんは、3年前の発覚時以降も関係は続けていたのだった。
室蘭市で会うことは人の目もあり、控えていたが、このような札幌出張や東京出張などで現地で待ち合わせ、密会をしていたのだった。
以上を依頼人である由美さんに報告をさせていただく。
由美さんもある程度は想定していたが、3年前のあの約束は全部嘘だったことに戸惑っておられた。
由美さんは弁護士に委任し、優作さんへの慰謝料、養育費、財産分与、長田さんには慰謝料の請求をすることになった。