樽前山にも雪が舞う12月。
中村雄太さん(38歳)からご依頼をいただく。
依頼内容は妻 美代子さん(35歳)の調査であった。
雄太さんの職業は公務員、美代子さんは看護師として働かれている。
中村さんの家庭は長女(8歳)、長男(5歳)の4人家族。
1週間前、美代子さんが夜勤のとき、雄太さんが家で探し物をしていた。
そして、タンスの引き出しに産婦人科病院の診療明細書を見つけた。
雄太さんは見てもよくわからないが、自由診療で120,000円ということは分かった。
自由診療・・・・。
雄太さんは、ネットでいろいろと調べてみた。
多くの記事に堕胎費用と書かれていた。
妻が妊娠、そして中絶・・・・ここ数年、夫婦関係がなかったことで雄太さんには心当たりがない。
雄太さんは、たとえ美代子さんに聞いても、真実は分からないと探偵へ依頼をされたのだった。
美代子さんは病棟看護師のため、仕事はシフト制。
美代子さんが仕事のときは、雄太さんが時間休などを取り、子供たちの対応をしている。
探偵は美代子さんのシフト表に虚偽があるかもしれないという想定で調査を進める。
土曜日、美代子さんは夜勤、探偵は美代子さんの出勤状況を確認する。
22:00 美代子さんが車で家を出る。
探偵が美代子さんの車を追尾する。
美代子さんは病院とは異なる方向へと進んでいく。
車は中央区の14階建てのマンション来客駐車場に到着する。
美代子さんが同マンションへ入っていくのを確認する。
探偵はマンション付近で張り込みをおこなう。
翌日 8:10 美代子さんと男性が二人でマンションを出てきて、それぞれの車に乗り込み、走行を開始する。
その後、美代子さんは帰宅する。
探偵は引き続き、調査を続ける。
男性は山本翔太さん(39歳)、仕事は医師。
結婚前に美代子さんが働いていた病院で働いている。
美代子さんと山本さんは半年前にある会合で再会をして、関係が続いていたようだった。
その後、美代子さんはシフト表を改ざんして、山本さんとの密会をしていたのだった。
以上を依頼人である雄太さんに報告させていただく。
雄太さんは想像はしていたが、ショックは大きく、動揺されていた。
雄太さんは悩んだ末に離婚を決断し、調停にて話し合いをしている。