年末も押し迫った12月。
札幌市在住の田中正美さん(45歳)からご依頼をいただく。
内容は年末年始の夫 英雄さん(46歳)の素行調査であった。
英雄さんは銀行に勤務しており、転勤で北海道札幌市に来たのだった。
正美さんも、もともとは英雄さんと同じ銀行に勤めており、職場で知り合い、結婚して21年目。
毎年、年末年始は東京へ戻り、互いの実家へ年始の挨拶へ行くのが慣例であった。
だが、今年は休業期間中に札幌支店のコンピューターシステムのアップデートのため、英雄さんが管理をしなければならない。
そのため、英雄さんは正美さんに「今年は君だけ帰省してください」と言ってきた。
そして正美さんだけが東京に帰省する予定を立てていた。
だが、正美さんに少しだけ頭をよぎっていることがあった。
半年前から英雄さんの行動に違和感を感じていた。
東京出張が極端に多くなり、宴席も多くなった。
英雄さんは、真面目、実直を絵にかいたような人。
そんな英雄さんが浮気なんてするわけがない・・・・と思いながら探偵に依頼することを迷っていた。
だが日々、夫を疑うのもよくないと思い、当社へ年末年始、正美さんが帰省中の間の英雄さんの素行調査を依頼された。
12月28日 英雄さんが正美さんを千歳空港まで送り届ける。
探偵は正美さんを送り届けた後の英雄さんの車を尾行する。
英雄さんは帰宅するが、1時間後、ふたたび家を出てくる。
そして車に乗り込み、走行を開始する。
車はそのまま琴似まで行く。
4階建てマンションの前に停車、5分後、マンションから女性が出てきて、英雄さんの車の助手席に乗り込み、走行を開始する。
そのまま車は函館方面へ走行を続ける。
16:00 英雄さんの車は函館湯の川の高級温泉旅館の駐車場に到着する。
英雄さんと女性はホテルへと入り、チェックインをおこなう。
幸い、宿泊の空きがあり、探偵も宿泊手続きをする。
探偵は大浴場へと向かう廊下のソファーに座り、二人が大浴場へ行くのを撮影しようと準備していた。
17:30 英雄さんと女性が大浴場へと向かう姿を撮影する。
翌日、7:00 英雄さんと女性が朝食会場にあらわれる。
その日はチェックアウトをせず、連泊する。
探偵も連泊の手続きをする。
11:00 二人はタクシーに乗り、函館市内を観光に歩く。
探偵はその状況をすべて撮影する。
翌日、10:00 二人はチェックアウトをおこない、札幌へとむかう。
札幌へと向かう途中、苫小牧などの商業施設で二人は買い物をする。
そのまま英雄さんは女性宅に泊まり込んでいた。
1月4日 13:00 英雄さんは一度帰宅し、その後、千歳空港へ正美さんを迎えに行く。
英雄さんは12月28日~1月4日まで7日間を女性と過ごしていたのだった。
会社へ出社することもなく、おそらくはコンピューターのアップデートも架空の話だったのだろう。
引き続き探偵が調査を続ける。
相手女性は鈴木沙織さん(32歳)、英雄さんの職場に勤務されている女性、そして英雄さんの直属の部下だった。
沙織さんは独身、一般職の女性で昨年の4月に旭川支店から札幌支店に転勤してきた女性であった。
おそらく半年ほど前から不倫関係にあったようだ。
以上を依頼人である正美さんに報告をさせていただく。
正美さんももしや浮気?を思われてはいたが、そこまで深い関係であったことに戸惑っていた。
正美さんは英雄さんと話し合い、当面は別居をすることになった。