阿寒湖の湖面に初夏の日差しが降り注ぐ6月。
釧路市在住の鈴木景子さん(31歳)から調査を依頼される。
内容は、婚約者 佐藤仁志さん(33歳)の調査であった。
景子さんと仁志さんは2年前に知人の紹介で知り合い、交際する。
1年前には、互いの両親へ挨拶に行き、婚約ということになった。
だが今年の4月、仁志さんが札幌への転勤が決まった。
当初、仁志さんは頻繁に釧路に戻り、景子さんと過ごしていた。
だが、徐々に仕事が忙しいと釧路に戻ってこなくなった。
一度、景子さんが札幌の仁志さんの部屋を掃除に行くと伝えたが、仁志さんは、その週は出張があると断られた。
景子さんは、そのとき直感的に仁志さんの心の変化を感じた。
そして、当社を訪れ、仁志さんの素行調査を依頼された。
さっそく探偵が調査を開始する。
探偵は仁志さんの札幌の勤務先にて待機する。
18:30 仁志さんが会社から出てきて、社員駐車場へ行き、自分の車に乗り込み、走行を開始する。
仁志さんの車は、会社の裏手にあるスーパーの駐車場に停まる。
同スーパーから買い物袋を持った女性が出てきて、素早く仁志さんの車に乗り込み、走行を開始する。
車は春採にある4階建のマンションの駐車場に駐車、仁志さんと女性はマンションへ入っていく。
探偵はマンション付近で待機調査を続ける。
翌日 7:30 同マンションから仁志さんと女性が出てきて、車に乗り、走行を開始する。
会社近くのコンビニで女性が降り、仁志さんは会社へ出勤する。
その後、女性も出勤をする。
探偵は引き続き調査を続ける。
女性は仁志さんの会社の同僚 吉田理恵さん(27歳)。
仁志さんが転勤をして、まもなくから交際を始めたようだった。
仁志さんは、ほぼ毎日、吉田さんのマンションに泊まり、転居先のアパートにはほどんど帰っていない。
以上を依頼人である景子さんに報告させていただく。
探偵の報告を聞き、景子さんは大きなため息をついておられた。
翌週、景子さんは札幌へ行き、仁志さんに別れを告げたそうです。