川崎市在住の吉田美智子さん(60歳)からご相談を頂いたのは曇りがちの
室蘭にも陽射しが多くなる7月のこと。
内容は夫 吉田高志さん(58歳)が失踪し、探して欲しいとのご相談であった。
高志さんは特殊建築の技術者で日本全国を渡り歩いていたそうだ。
一つの仕事が終わり、次の出張までの数日間を川崎市の自宅で過ごし、
また出張に出かける生活。
失踪の当日も2ヶ月間の出張を終え1週間の休みを自宅で過ごしていたそうだ。
「本屋に行ってくる」と美智子さんに告げ出掛けたのが最後であった。
携帯電話に電話をかけても電源を切っている。
自宅にも連絡はない。
書置きなども全くない。
高志さんの友人、仕事の同僚などにも連絡を取ったが手がかりがない。
当然、自宅のある川崎市周辺も探し回ったが見つからない。
そこで、川崎市の興信所に調査依頼、2ヶ月間の調査をしたが、
発見には至らなかった。
その後、以前の高志さんの仕事仲間から、北海道の岩見沢市の本屋で
高志さんらしき人物を見かけたとの情報があった。
岩見沢市は2年前に高志さんが3ヶ月間、仕事で出張をしていたところ。
そこで北海道を拠点とする当社に依頼となったのである。
当社の相談員もその情報のみで岩見沢を中心に調査を依頼いただくのは躊躇するものがあった。
だが美智子さんの「必ず岩見沢にいるような勘がします」との言葉もあり、
調査依頼となった。
まずは高志さんに関することの特殊調査を行ったが全く手掛りが出てこない。
その後は高志さんの「写真」「本が好き」「お酒が好き」の情報を頼りに調査を続ける。
本屋の聞き込み、繁華街での聞き込みと張り込み。
岩見沢市の人口は約9万人。
「似たような人を見た」などの間接的な情報はあるのだが、なかなか発見に至らない。
調査は困難を極めたが、妻 美智子さんの勘どおり、岩見沢に住んでいたのだ。
早速、美智子さんに連絡をし、翌日岩見沢市に来ていただいた。
高志さんは、ある女性(47歳)のところに住んでいた。
以前岩見沢に出張に来ていたときに知り合い、その後も連絡を取り合っていたようだ。
数日間、高志さんと美智子さん、その女性との3人で話し合いを続け、
高志さんは川崎に戻っていかれた。
余談ではあるが、今回の調査依頼のきっかけとなった岩見沢市の本屋で
見かけた情報だが、高志さんはその本屋には行ったことがなく、見間違いだったようだ。
探偵もあらためて妻の勘の凄さを感じました。