北海道にも初夏がおとずれる6月。
名寄市在住の斉藤梓さん(32歳)から交際相手 山田信也さん(39)の調査を依頼される。
梓さんは昨年7月、マッチングアプリを通じて信也さんと出会った。
信也さんは札幌市在住でIT関連の会社を経営、梓さんは名寄市内の病院で看護師として働いている。
デートは梓さんが札幌へ行ったり、信也さんが名寄まで迎えに来たりしていた。
信也さんは、実家暮らしとのことで、家には訪ねたことはなかった。
あるとき、梓さんが看護の研修会で東京に行った際、お土産の菓子を聞いていた信也さんの住所へ直送した。
だが、お土産の菓子はあて所不明で梓さんのところへ運ばれてきた。
何度も送り状を確認したのだが、信也さんから聞いていた住所で間違いはなかった。
そんなこともあり、これまでの信也さんの不思議なことが思い出された。
午後8時過ぎにLINEを送ると、返信は必ず翌日の朝になる。
札幌でのデートのときも、梓さんが泊まるホテルには泊まらず、午後11時には必ず帰宅する。
そして翌日の朝、またホテルへ迎えに来てくれる。
梓さんは、とても不安になり、「まさか・・・・」と思いながら、当社へ信也さんの調査を依頼された。
さっそく探偵が調査を開始する。
梓さんから信也さんの情報を細かくうかがう。
探偵がその情報を元に調査を進める。
結果、名前、年齢、仕事などに偽りはなかった。
だが、信也さんは既婚者であった。
そして12歳、9歳。2歳の3人の子供の父親でもあった。
以上を依頼人である梓さんに報告をさせていただく。
梓さんも探偵から受ける途中経過の報告である程度は覚悟されていたが、やはりショックは大きかった。
梓さんは探偵の報告を受けた後、信也さんに別れて電話をされたのだった。