大通公園にも春の心地よい風が吹く4月。
札幌市在住の吉本敦さん(33歳)から妻 亜弥さん(32歳)の調査をご依頼いただく。
敦さんと亜弥さんは友人の紹介で知合い、2年の交際をして、現在は結婚3年目のご夫婦。
夫婦は敦さんと亜弥さん、長男 潤君(2歳)の3人家族。
敦さんの仕事は技術系の公務員、亜弥さんは看護師。
調査のきっかけは息子 潤君のDNA鑑定結果であった。
敦さんは大学では化学系を専攻しており、昨今のDNA鑑定にも興味を持っていた。
DNA鑑定の費用が低価格になってきており、興味本位で自分と潤君のDNAが
どのようにつながっているのか?を知りたくてDNA鑑定キットを取り寄せて、鑑定をしてみた。
亜弥さんに変に思われては困ると思い、亜弥さんには知られずに潤君のDNAを採取し、自分のDNAと一緒に
鑑定に送った。
鑑定結果書面はメールで添付されてくることになっていた。
5日後、敦さんのスマホにメールが届く。
冒頭に「鑑定の結果、生物学的親子関係は不存在」とあった。
つまり、敦さんと潤君の血縁関係にはないのです。
敦さんは鑑定会社に電話をかけ、「間違いではないのか」と問うたのだが、
「間違いはありません」との回答だった。
敦さんは動揺しながらも、別のDNA鑑定の会社から鑑定キットを取り寄せる。
だが、結果は同じく「生物学的親子関係は不存在」であった。
敦さんは亜弥さんが浮気をしているとはまったく思えなかった。
不審な行動もなく、結婚生活において浮気を疑ったことは一度もなかったのです。
迷い、悩んだ末に当社へ妻 亜弥さんの素行調査を依頼された。
さっそく探偵が調査を開始する。
当初、亜弥さんの行動に不審な点は見られなかった。
決まった時間に勤務先の病院に出勤し、帰りは保育園に子供を迎えに行くのです。
調査も2週間目に入った。
朝、亜弥さんが潤君を保育園に送り、そのまま出勤するはずが、病院には行かない。
保育園からタクシーに乗り、大通り公園まで移動する。
大通り公園でタクシーを降りた亜弥さんは、誰かを待っている様子であった。
そんな亜弥さんの前に一台の高級輸入車が止まり、亜弥さんはその車に乗り込む。
車はハイクラスのファッションホテルの地下駐車場に入っていった。
5時間後、その車が同ホテル駐車場より出てきた。
やはり亜弥さんは浮気をしていた。
その後、亜弥さんはスーパーに寄り、食料品を購入し、保育園に潤君を迎えに行って帰宅。
以上を敦さんにご報告をさせていただく。
敦さんから追加調査として亜弥さんとホテルに行った男性の身元調査を依頼された。
結果、男性は亜弥さんが勤務している病院の45歳のドクター。
名前は佐々木信二さん、既婚者であった。
そして、おそらく亜弥さんと信二さんは敦さんと知り合う前から不倫関係だったと推測できた。
もう一つ、敦さんからの依頼があった。
信二さんのDNAを採取すること。
これはとても苦労をした。
なんとか信二さんがコンビニでゴミを捨てた際に鼻をかんだテッシュを入手する。
敦さんは潤君と信二さんのDNA鑑定を行う。
結果は「生物学的親子関係 99%」となっていた。
その結果を踏まえ、敦さんは家を出た。
その後。敦さんは亜弥さんと信二さんに慰謝料の請求をし、亜弥さんとの離婚を決断した。