札幌にも短い夏が訪れる7月。
当興信所へ北野瑠美さん(28歳)から夫 北野誠二(29歳)の調査を依頼された。
誠二さんは会社員で営業職、瑠美さんは介護職。
友人の紹介で知り合った。
3年前から交際をスタートし、交際1年後に結婚をされた。
瑠美さんは子供について誠二さんと話し合うが、誠二さんは「まだ二人でいよう」と曖昧な言い方をしてくる。
そして先日、誠二さんから「離婚をしたい」と言われた。
瑠美さんが理由を尋ねても、「僕は結婚に向かないことに気づいた」と繰り返す。
瑠美さんは「まさか?」と迷いながら、当社へご依頼をされた。
さっそく探偵が調査を開始する。
誠二さんの仕事は規則的である。
退勤時間は午後6時30分~午後7時00分。
基本的にはまっすく帰宅する。
週に一度くらい学生時代の友人(坂上優さん 29才)と会食をして帰る程度。
そして、土曜日の昼に優さんとスーパー銭湯に行く。
浮気相手と思われる女性が現れない。
探偵はもしや・・・と思いながらも一つの仮説を立てて、調査を続ける。
土曜日、誠二さんがいつものようにお風呂に行くと外出する。
探偵も誠二さんについていき、同じスーパー銭湯に到着。
館内で優さんが待っていた。
探偵は館内での二人の様子を確認していた。
誠二さんと優さんは露天風呂で二人で湯舟に使っていた。
探偵も別の露店風呂の方の隅でじっと湯舟に入っていた。
やはり探偵の仮説は当たっていた。
二人の会話はまるで恋人同士のようであった。
今度の旅行に行く話・・・・
二人で美味しい天ぷら屋さんに行く約束・・・・
誠二さんは妻に離婚の話をしていること・・・・など等。
誠二さんの浮気相手は優さんであった。
引き続き調査を続ける。
やはり誠二さんと優さんは恋人同士であった。
学生時代にも交際していたのだが、誠二さんは結婚をして家庭を持ちたいとの思いもあり、
優さんと別れ、瑠美さんと結婚したのであろうと推測された。
探偵は調査結果を瑠美さんに報告させていただいた。
瑠美さんは驚くとともに、納得したようなお顔をされた。
瑠美さんも誠二さんが「同性愛者ではないのか?」と思っていたらしい。
瑠美さんは離婚を決断され、1ヶ月後に離婚が成立した。