ウトナイ湖の白鳥が北へ飛び立つ4月。
苫小牧市在住の朝日涼真さん(34歳)から妻 彩未さん(29歳)の行動調査を依頼される。
涼真さんは病院で事務職の仕事をしている。
彩未さんは長男 優希君(1歳)が生まれ、産休中であるが、看護師をされている。
涼真さんと彩未さんは職場が一緒であったため、職場で知り合い、交際3年を経て結婚された。
調査のきっかけは「弁当」
産休にはいった彩未さんから一つの提案があった。
「学資保険の積立もあるので、これからはお弁当を作るから、節約しましょう」・・・と。
涼真さんは彩未さんに気を使い、「大丈夫なのかい、子育ても大変なのに・・・」と言ったが、
彩未さんは「大丈夫だよ」と答えたそうだ。
そうして、涼真さんの弁当生活のスタート。
職場では「愛妻弁当か?」と冷やかされながらも、嬉しかった。
そうして弁当を作ってもらって1か月。
いつものようにお弁当を開けると細く切った海苔で「ナオクン ラブ」と書かれていた。
最初はただ海苔を張り付けているのだと思ったが、やはり「ナオクン ラブ」と読める。
帰宅後、涼真さんが彩未さんに弁当の文字の件を聞いたところ、
彩未さんは少し焦りながら「えっ 何が? 海苔弁当にしたんだけど」と答える。
涼真さんはそれ以上は聞かなかったが、彩未さんがお風呂に入っているとき、
台所のシンク下の棚に同じ形の弁当箱が3つあったのだ。
涼真さんは考え込んだ。
そういえば、スマホを肌身離さずに持っている。
お風呂場にも持っていく。
涼真さんはまさか?と思いながらも、当社へ彩未さんの調査を依頼される。
探偵がさっそく調査を開始する。
7時15分、涼真さんが自宅より車に乗って出勤をする。
7時25分 彩未さんは自分用の軽自動車に優希君を乗せ、走行を開始する。
自宅から走行して5分、コンビニの駐車場に入る。
既に止まっていた白い車から男性がおり、彩未さんの車の助手席に乗り込む。
手には弁当袋を持っていた。
男性は5分程度で車を降り、自分の車に戻って走行を開始する。
男性の手には別のお弁当袋がさがっていた。
おそらく、昨日に渡した弁当箱と新しい弁当箱を交換したのだろう。
翌日も同じ行動だった。
探偵はその男性の調査を行う。
男性の名前は大野直哉さん、年齢は27歳、職業は看護師。
今は涼真さん、彩未さんと違う病院だが、以前は同じ病院に勤務していた。
そして、大野氏は既婚者であった。
探偵は更に調査を続ける。
木曜日、大野氏は夜勤だった。
金曜日、夜勤があけて大野氏は彩未さんの家を訪問したのだ。
当然、涼真さんは仕事にいって留守である。
3時間後、大野氏が彩未さんの家から出てきて、コインパーキングに駐車している車に戻り、
自宅へ帰っていった。
以上を涼真さんに報告させていただく。
涼真さんは愕然とされた。
だが、数分間の沈黙の後、涼真さんは探偵に言われた。
「彩未は私と交際中に大野との噂もあったんですよ、そのときは既に大野は結婚してましたが」・・・と。
涼真さんは今後についてはじっくりと考えると小さく言われていた。
また、DNA鑑定について探偵に聞いていました。