大倉山にも初雪が降る11月。
札幌市在住の渡辺幸子さん(45歳)から夫 健一さん(48歳)の家出人・失踪人調査を依頼される。
健一さんは父親から受け継いだ鉄工所を経営している。
年々、業績が下がっていたが、細かな経費を削減したり、無駄を排したりしながら工場を維持してきた。
だが、コロナの流行によって業績は更に落ちてしまった。
コロナの政策融資などの借り入れもしたが、それも来年からは返済が始まる。
健一さんは今後の会社経営について悩んでいた。
夜は眠れず、心療内科に通院をしていた。
来月は従業員のボーナスも用意しなければならない。
月曜日、健一さんは銀行に融資のことで相談に行ってくると出かけた。
だが、夜の9時になっても帰らず、幸子さんが何度も電話をするが、健一さんの携帯電話は電源が切られている。
その日、健一さんは帰って来なかった。
翌日、幸子さんは健一さんが行くといっていた銀行に向かった。
やはり健一さんは銀行に来ていたのだったが、融資の件は思わしくなかったようだ。
その後、2日間は幸子さんと家族、従業員の皆さんで探されたようだ。
だが、5日を経過しても、健一さんは帰宅せず、情報も入らなかった。
6日目、幸子さんは当社へ健一さんの家出人・失踪人調査を依頼をされた。
探偵がさっそく調査を開始する。
健一さんはクルマに乗って失踪しているため、まずは健一さんのクルマを発見することを目的とした。
調査スケジュールは3つの工程を立てた。
調査1日目~4日 札幌市内を徹底的にローラー捜査をおこなう。
調査5日~9日 札幌から道南方面へ捜索に向かう。
調査10日~14日 札幌から道東方面へ捜索に向かう。
第1工程の札幌ローラー捜索では健一さんは発見できなかった。
第2工程は札幌から函館までの各市町村をまわり、道の駅、パチンコ店駐車場、公園駐車場などを捜索する。
だが、健一さんの発見には至らなかった。
第3工程は札幌から釧路までを捜索する。
やはり各市町村の道の駅、パチンコ店、公園駐車場を捜索する。
そして「道の駅 なかさつない」の道の駅で健一さんのクルマを発見する。
車内でシートを倒して眠っている健一さんを確認した。
探偵はすぐに幸子さんに連絡を取り、こちらに向かってもらう。
午後8時、幸子さんが到着する。
幸いに健一さんはクルマを移動せずに道の駅に滞在してくれていた。
探偵は健一さんが不意にクルマを動かさないように探偵車両で健一さんのクルマをかこう。
準備が整い、幸子さんが健一さんのクルマに近づき、窓ガラスを小さくたたいた。
5分後、健一さんはクルマから降り、幸子さんに何度も謝罪をしていた。
当日は近くのホテルに宿泊して、翌日に健一さんと幸子さんは札幌へ戻っていった。
後日、幸子さんより連絡をいただき、銀行にも融資の理解を得て、もう一度頑張っていくそうです。
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