雪解けが進み、札幌にも春の香りが漂う4月。
当探偵事務所へ林尚樹さん(35歳)からご依頼をいただく。
ご依頼の内容は奥さんと子供たちの失踪調査であった。
妻 晴香さん(33歳)、長男 和樹君(6歳)、二男 祐樹君(4歳)、三男 大樹君(2歳)を連れ、家を出てしまったのは2ヶ月前のこと。
失踪の前日は普通に家族で夕食を食べていたのです。
そして翌日、尚樹さんが仕事から帰宅すると「冷蔵庫」「洗濯機」「ソファー」「子供の机」「衣類」などがなくなっていたのです。
まったくの突然の失踪に尚樹さんも戸惑ってしまう。
尚樹さんも晴香さんの行方を探したが、見つからない。
晴香さんの実家にも連絡を取ったが、晴香さんの両親は「知らない」としか言ってくれない。
その後、尚樹さんの元に裁判所からの通知が届く。
内容は「婚姻費用の請求」であった。
調停で尚樹さんは調停員を通じて、晴香さんが家を出た真意を訪ねたが、「性格の不一致」としか言わない。
そして、婚姻費用は9万円と決まったが、尚樹さんが子供たちとの面会交流は晴香さんの方で拒否していた。
また、晴香さんは住民票を移しているのだが、「戸籍の閲覧制限」をかけているため、尚樹さんが子供たちの住所を知ることすらできない。
探偵がさっそく調査を開始する。
すると晴香さんの知人などからいくつかの情報が入る。
札幌市北区に引っ越しをしたらしい・・・・
男性と同棲している・・・・
離婚を進めているらしい・・・・ など等。
そして、核心的な情報を得たのです。
晴香さんは阿部義則さん(35歳)と札幌市北区の賃貸マンションで同棲をしているとのこと。
調査を進め、晴香さんと子供たち、阿部義則さんの住んでいる場所を突き止めた。
阿部義則さんと尚樹さんは古くからの友人。
当然、晴香さんとの面識もあったのだか、1年ほど前から交際が始まったようだ。
義則さんは実家住まいであったが、独り暮らしを始めるにあたって、晴香さんとの同棲を計画していたようである。
全てを知った尚樹さんは愕然とされた。
最終的に尚樹さんは晴香さんと義則さんに慰謝料の請求を行い、離婚をされた。