旭川市在住の今野美穂さん(34歳)からの依頼は交際相手の高木和也さん(32歳)の所在調査であった。
美穂さんは和也さんとマッチングアプリで知り合ったのが、半年前の9月。
美穂さんは看護師をされており、なかなか男性との出会いがなかった。
友人からマッチングアプリのことを聞いて、登録をしてみた。
2週間ほどで和也さんと知り合い、交際にいたった。
和也さんは札幌市に在住。
仕事は不動産会社の営業をしている。
コロナの影響もあり、なかなか会えず、初めて直接会ったのは2か月後だった。
昨年11月、美穂さんが札幌に来て、初めて会った。
その後も月に1回、美穂さんが札幌に来てデートをする。
今年になり、和也さんからプロポーズをされる。
美穂さんはとても嬉しかった。
コロナ禍のため、結婚式はせず、入籍だけをしようと話し合った。
そして、和也さんから一つの提案があった。
札幌苗穂駅の付近にできるマンションを購入し、結婚後の新居にしようというものだった。
美穂さんはマンションのパンプレットを見せられ、自分の会社で扱う物件だから安く買えるとの説明であった。
そして、和也さんは互いに300万円つづを出して、600万円を申込金と頭金にしよう・・・との話であった。
美穂さんもパンフレットで見るそのマンションをとても気に入り、300万円を用意し、和也さんに渡した。
その数日後から和也さんに連絡が取れなくなった。
LINEを送っても届かず、電話は「現在使われていません」とのアナウンスが流れる。
和也さんから聞いていた勤務先に電話をかけたが、「そのような名前の社員はいません」とのことだった。
美穂さんは和也さんの家を知らなかった。
和也さんは両親、弟と実家に住んでいるとのことであった。
札幌市北区だとは聞いていたが、詳しく住所は知らない。
美穂さんは「騙された」ことに気づいた。
警察に相談に行ったが、「民事だから介入できない」と言われる。
すぐに弁護士に相談に行ったが、和也さんの住所が分からなければ、対応できないとのこと。
そして、弁護士に紹介され、当社を訪れ、依頼をされたのであった。
さっそく探偵は調査を開始する。
1か月後、探偵が様々な調査を行い、和也さんの所在(住所)が判明する。
高木和也は本名ではなかった。
名前は原田優二、仕事も不動産会社の営業ではなく、建設会社に勤務していた。
そして、既婚者であった。
最初から美穂さんを騙そうとしていたのだ。
その後も探偵は深く調査を行う。
優二氏は、美穂さん以外にも同じように詐欺をしていた。
以上を報告させていただく。
美穂さんは弁護士にマンションの頭金として渡した300万円の返済と100万円の慰謝料を請求した。
また、探偵の調査で判明した同様の被害者に連絡を取り、その人たちと再度、警察に詐欺の被害届を出した。