大通り公園にも初夏の陽ざしがさす6月。
札幌市在住の木田勇さんより、妻 奈央さん(29歳)と子供たちの家出人調査を依頼される。
勇さんは看護師、奈央さんは専業主婦。
3週間前に突然、奈央さんは子供たちを連れ、家出をした。
置手紙には「探さないでください」「もう疲れました」と書かれていた。
すぐに勇さんは警察署へ行くと、警察官は待ち構えていたように勇さんに接する。
警察官は「奥さんの居場所は警察では知っていますが、アナタには教えられません」
「アナタは奥さんを探してはいけません」
どうやら奈央さんは事前に警察に修さんのありもしないDVを相談していたのです。
そして今日、家を出ていくことを事前に警察に伝えていたのです。
そのため、警察は勇さんをDV夫と思い込んでいたのです。
警察を出た勇さんは弁護士のところを訪ねた。
勇さんは妻がDVをでっち上げ、警察を巻き込んでいることなどを相談する。
だが、弁護士は「いずれにしても奥さんの居場所が分からなければ、どうにもならない」と言う。
勇さんは弁護士のアドバイスもあり、区役所で妻と子供の戸籍を取る。
だが、区役所の窓口で勇さんは唖然とする。
「アナタのおくさんと子供さんの戸籍は閲覧制限が出されているため、住民表はお渡しできません」と
区役所職員が言ったのです。
奈央さんは市役所にも用意周到に「夫のDV」を理由に戸籍の閲覧制限をかけていたのです。
そして、友人の紹介で勇さんは当社を訪れ、奈央さんと子供たちの家出人調査を依頼される。
探偵は直近での勇さんと奈央さんの関係をうかがう。
特に仲が悪くなっていたこともなかったが、最近は飲み会といって子供を勇さんに預け、
外出が増えていたらしい。
探偵はさっそく調査を開始する。
奈央さんの知人から有力な情報を得た。
奈央さんは鈴木信二さんという男性と深い関係だったとのこと。
探偵が勇さんに「鈴木信二」という名前に聞き覚えないか? 訪ねた。
勇さんの顔が急にこわばり、しばし無言になった。
勇さんは「鈴木信二は私の以前の職場の後輩です」「何度も我家に食事をしに来ていました」・・・と。
探偵は奈央さんと子供たちは信二さんのところにいると考えた。
だが、勇さんはここ数年、信二さんと連絡を取っていなかったため、住所や勤務先などは分からないとのこと。
2週間後、探偵は鈴木信二さんの住所を確定させる。
場所は小樽市。
探偵が信二さんの自宅アパート前にて張り込みを続けた。
三日後、奈央さんと子供たちが信二さんのアパートから出てきて、買い物に行く状況を確認した。
すぐに探偵は勇さんへ連絡をする。
勇さんは大きなため息をついた。
探偵の調べによると、信二さんと奈央さんは1年ほど前から交際を始めていたらしい。
信二さんが小樽の病院に転職をしたのを機に奈央さんは家を出ることを決断したようだ。
その後、勇さんは弁護士を立て、奈央さんと信二さんに対しての協議を始めた。