函館も雪解けが進み、春を感じられる4月。
札幌市在住の佐藤豊さん(50歳)から、娘 沙織さん(18歳)の自宅アパートの盗聴・盗撮調査を依頼された。
沙織さんは函館にある看護学校に入学し、札幌の実家から函館で独り暮らしを始めた。
豊さんは沙織さんのことに関してはとにかく心配性であった。
今回の函館の看護学校の入学も最後まで反対をしていた。
沙織さんが函館で独り暮らしを始めて数日がたった。
豊さんはテレビで「盗聴・盗撮被害」のドキュメンタリー番組を見た。
テレビを見終わった豊さんは「もし沙織の部屋に盗聴器や盗撮器があったらたいへんだ」といてもたってもいられなくなった。
そして、当社へ急いて電話をされてきたのだ。
豊さんの要望は一つ、すぐに調査をしてほしいとのことだった。
すぐに探偵が函館の沙織さんの部屋にうかがう。
調査の結果は・・・・・
盗聴器が発見された。
部屋に一つ、トイレに一つの2つが発見された。
盗聴器のタイプは典型的な電源タップ型(三股ソケット型)であった。
おそらくは沙織さんに仕掛けられたというより、前住人の関連で装着されたのだろうと推測される。
沙織さんは驚かれていたが、もっと驚いたのは依頼人の豊さんであった。
探偵の報告を聞いて、翌日には仕事の休暇をもらい函館に行く。
今住んでいる管理会社に赴き、事情を話す。
管理会社も困惑していたようだ。
豊さんはその足で不動産業者に行き、沙織さんの引っ越し先を決めた。
今の部屋より狭いが、新築の未入居物件。
引越しは1週間後、それまで沙織さんはホテルから通学することにしたようだ。
豊さんは引越し先の部屋の盗聴・盗撮調査を探偵に依頼された。
娘のことが心配でならない父親。
だが、その心配性の父が被害を未然に防いだのだった。