札幌にも冬の足音が聞こえる11月。
林夏美さん(38歳)から元夫 林啓介さんの勤務先調査を依頼された。
夏美さんと啓介さんは5年前、啓介さんの女性問題で離婚された。
二人の間には長女 奈央さん(10歳)、長男 一樹君(8歳)の二人の子供がいる。
離婚時に養育費として一人2万円、二人分として4万円の養育費の約束をしていた。
離婚後、養育費は支払われていたが、半年前より支払いが滞っていた。
夏美さんは啓介さんに連絡をしたのだが、携帯電話の番号は変わっており、LINEも届かない。
啓介さんが離婚当時に勤めていた勤務先も2年前に退職していた。
そのため、当社へ依頼をされたのだった。
探偵は夏美さんに養育費未払いの理由で役所に申請してもらい、戸籍謄本、戸籍の附表を取得してもらう。
啓介さんは養育費が支払われなくなった半年前、札幌から函館に引越しをしていた。
さっそく調査を開始する。
啓介さんの函館市の住所地で調査をおこなう。
2階建の賃貸アパートであった。
独身で住むには広い間取りの部屋であることが確認された。
数日間の調査で啓介さんの勤務先が判明した。
函館市にある建設会社に勤務されていた。
また、女性と小学校低学年と思われる子供の3人で暮らしていた。
詳細までの調査はおこなっていないが、啓介さんと同居していると思われる。
夏美さんは、啓介さんの住所地に手紙を書いた。
一週間後、啓介さんから20万円の振り込みがあった。
また、手紙も届き、内容は今後は養育費は送れずに振り込むと書かれていた。