大通公園にイルミネーションが灯る12月。
札幌市在住の菊池浩二さん(48歳)から依頼をいただく。
菊池さんは15年前、札幌市でラーメン店を開業した。
その後、函館、苫小牧、千歳、旭川、帯広、釧路に支店を出している。
菊池さんは各支店を回って歩くのだが、突然に行くのも従業員との信頼関係を損ねると思い、事前にスケジュールを伝えている。
ある日、菊池さんが札幌本店に入っていた際、開店当初からの常連のお客 Aさんが来られ話をした。
Aさんは北海道全域を出張して歩くため、菊池さんのラーメン店の各支店も出張の際に訪れてくれている。
Aさんは菊池さんに「やっぱり本店が一番うまいな・・・」と言ってくれた。
菊池さんはAさんに「どこかの店で味が悪かったですか?」とうかがったが、Aさんは「そんなことはないけど、本店が一番」と
話をずらした。
菊池さんはAさんの言葉が気になり、当社へ各支店の覆面調査を依頼されたのだった。
探偵はさっそく調査準備をする。
今回の依頼における調査担当はN君。
複数でおこなうと味の基準にばらつきが出るため、N君の専任でおこなう。
まずはN君に札幌本店に3日間通ってもらい、味をしっかりと覚えておく。
舌に味を記憶させるのです。
その後、各支店をまわる。
まずは旭川支店に向かう。
2日間で2回、食べてくる。
その際はチェックシートの内容も確認する。
味は本店と同じ味なのか? 店内の清掃状況、トイレの清潔感、接客態度、提供時間 など等。
1店舗の調査を終えるとN君は札幌に戻り、札幌本店で菊池さんの作るラーメンを食べる。
舌の記憶をリセットするためです。
そのようにして帯広、釧路、苫小牧、千歳、函館 と各支店の調査に入る。
味がずれていたのが、釧路店、帯広店。
店内の清掃で問題があったのが千歳店。
接客態度に問題があったのが函館店。
全ての店舗をレポートにまとめ、菊池さんに報告をする。
菊池さんは探偵のレポートを見ながら、「やはりひとりで管理は無理だったようです」と言われた。
後日、菊池さんより連絡をいただき、札幌本店で店長をしている人物を店舗マネージャーにして
菊池さんと二人体制で各店舗の管理をするそうです。