初夏の暑さが心地よい6月
札幌市在住の木下奈美さん(35歳)から夫 利夫さん(36歳)の調査を依頼される。
木下家には長男(7歳)、二男(4歳)の4人家族。
利夫さんは2年ほど前から紋別市の病院に勤務のため、単身赴任をしていた。
当初、奈美さんと子供たちも一緒に紋別へ行く予定だったが、子供たちの生活環境を変えたくないと夫婦で結論を出し、単身赴任となった。
利夫さんも当初は毎月一度は連休を取り、札幌へ帰省をしていた。
だが、1年ほど前から利夫さんは「仕事が忙しい」といってほとんど帰省しなくなった。
2ヵ月ほど前、奈美さんは子供たちを連れ、紋別へ行った。
利夫さんの住まいは勤務先で用意してくれているマンション。
部屋はきれいに整頓されていた。
だが、違和感もあった。
奈美さんが部屋のあちらこちらを掃除していると、浴室の排水溝に長い髪の毛がたまっていた。
利夫さんは短髪である。
また部屋には芳香剤が置かれていた。
利夫さんは芳香剤のニオイが好きではないはずだった。
奈美さんは紋別に2泊して札幌へ戻った。
奈美さんは浴室の長い髪の毛の件も芳香剤の件もあえて利夫さんには聞かなかった。
そして奈美さんは探偵に利夫の生活状況の調査を依頼された。
さっそく探偵が調査を開始する。
土曜日、利夫さんの勤務先にて待機をする。
午後8時、利夫さんが勤務先より出てくる。
勤務先駐車場に止めている車に乗り、走行を開始する。
利夫さんは、自宅マンションとは逆方向に車を走らせる。
コンビニの駐車場に停車、5分後に若い女性が利夫さんの車の助手席に乗り込む。
その後、利夫さんの車が走行を開始し、自宅マンションに到着する。
利夫さんと女性はマンションへ入っていく。
翌日の日曜日、利夫さんは休み。
午前10時、利夫さんと女性がマンションより出てきて、車に乗り込む。
その後、車が走行を開始する。
探偵は利夫さんの車を距離をあけながら、尾行をおこなう。
車は国道239号線を走り続け、網走市に到着。
網走市で利夫さんと女性はトンカツ店で昼食をとる。
その後、ホームセンターや靴店、スーパーなどに寄り、買い物をする。
午後5時、網走から紋別へ向かって車を走らせる。
昨日、女性を乗せたコンビニで女性を降ろし、一人で自宅マンションに帰宅する。
引き続き、探偵は調査を続ける。
女性は利夫さんの勤務している病院の看護師 林美咲さん(28歳)
やはり利夫さんが札幌へ帰省しなくなった1年前から不倫関係になった。
美咲さんは実家に住んでいたため、週末は利夫さんのマンションに泊っていたようだった。
以上を依頼人である奈美さんに報告させていただく。
翌日、奈美さんは子供たちを実家に預かってもらい、紋別へ向かった。
そして利夫さんと話し合った。
利夫さんは奈美さんに謝罪し、美咲さんと別れることを誓った。
1ヵ月後、奈美さんは子供たちと一緒に紋別へ引越し、利夫さんと暮らすことになった。