八幡坂からの夜景も綺麗な6月。
函館市在住の鈴木杏子さん(45歳)から夫 泰平さん(48歳)の浮気調査を依頼される。
鈴木家は長男、二男ともに独立し、夫婦二人の生活。
泰平さんは20年前に建設会社を起業する。
杏子さんが経理、事務などをこなし、泰平さんは朝から夜遅くまで現場仕事をしていたそうです。
その後、徐々に取引先も増え、会社の経営も安定していった。
起業後、3年目には従業員20名をかかえ、大きな現場を請け負うことも多くなった。
さらに10年目には札幌に営業所を出すまでになり、従業員も60名を超えた。
会社が大きくなっても、杏子さんは事務、経理などを担当し、起業当時と変わらずに働いていた。
一方、泰平さんは、会社が大きくなるにつれ、仕事を従業員に任せ、自分は接待と称して外出することが多くなった。
ある日、杏子さんが泰平さんの机まわりを整理していると、札幌のマンション購入契約書が出てきた。
契約者は泰平さんになっている。
杏子さんはまったく知らないことだった。
当初は泰平さんが投資目的で購入したのか?と思ったが、そうではないようだった。
また、泰平さんはここ一年、仕事といって札幌への出張も増えていた。
ときには10日も帰って来ないこともあった。
杏子さんは「まさか」と思いながらも、当社へ調査を依頼された。
さっそく探偵が調査を開始する。
泰平さんはススキノのラウンジで働いている木田真美さん(28歳)と不倫関係にあった。
おそらく1年ほど前から不倫関係にあったようだ。
泰平さんは彼女の誕生日プレゼントとして、新築マンションをプレゼントしていたのだった。
杏子さんに札幌に出張といって外泊していたときは、泰平さんはこのマンションに宿泊していた。
さらに探偵が調査を続けた。
あるときは、泰平さんが札幌へ来て、真美さんをマンション
店内を尾行していた探偵はあまりの買物に驚いた。
ブランド店でバック、宝飾店でネックレス など総額100万円ほどを購入する。
百貨店を出て、真美さんをマンションに送り、そのまま函館に帰った。
泰平さんは真美さんを買い物に連れていくためだけに札幌に来たのだった。
当然、泰平さんは仕事をほとんどしていなかった。
以上を依頼人である杏子さんに報告させていただく。
杏子さんも想像はしていたが、あまりの内容に驚かれた。
二人で二人三脚でガンバってきた仕事。
全てが裏切られたと杏子さんは思ったそうです。
杏子さんの決断は早かった。
翌日には弁護士を訪ね、弁護士に委任し、泰平さんとの離婚、会社の権利問題の協議に入った。
半年後、杏子さんは泰平さんと離婚が成立した。
杏子さんは一切の業務を引き継ぎ、会社を去った。
あれだけ順調だった泰平さんの会社だったが、1年後に2度の不渡りを出してしまい、倒産となってしまった。