天都山に心地よい風が吹く6月。
網走市在住の山田景子さん(45歳)から調査を依頼される。
景子さんの父親は2年前に亡くなられ、そして昨年母親が亡くなられた。
母が病室で景子さんに告げたのだった。
「アナタには姉がいるの」
「私はお父さんとは再婚なの」
「最初の結婚のとき、女の子を産んだのよ」
「でも、離婚のとき夫が子供を渡してくれなかったのよ」
その話を聞いた3日後、母親が亡くなった。
母親の葬儀など、1ヵ月が過ぎ去った。
いろいろなことが落ち着き、ふと母親が言っていた姉のことが頭をよぎるようになった。
景子さんは独身、母親が亡くなってしまい、孤独になってしまった。
景子さんは悩んだ末に当社へ姉の所在調査を依頼された。
さっそく探偵が調査を開始する。
探偵は様々な調査をおこない、1ヵ月後、景子さんのお姉さんが見つかった。
お姉さんは、木田章子さん(49歳)、現在は函館に住んでおられた。
数年前に離婚され、子供も独立、一人暮らしをなさっていた。
以上を景子さんに報告させていただく。
景子さんはすぐに章子さんに手紙を書いた。
すぐに章子さんから返事がきた。
章子さんも母親のことは聞いていたようだった。
だが、景子さんという妹がいることは知らなかったそうです。
景子さんと章子さんは連絡を取り合った。
9月、景子さんと章子さんは札幌で初めて対面した。
お互いに顔を見て「似てる」と思ったそうです。
また、とても気が合い、これからも定期的に会うことになった。
10月には景子さんが章子さんの住む函館へ行くこととなった。