夏の陽ざしが照り付ける7月。
北広島市在住の田中聡美さん(32歳)から夫 健司さん(33歳)の家出人・失踪人調査を依頼される。
田中さん夫婦は結婚して5年、4歳の長男がいる3人家族。
聡美さんはパートで近所のコンビニで働いている。
健司さんは、千歳市の会社で営業職として働いている。
7月初旬の日曜日の昼、健司さんがコンビニに行ってくると言って家を出た。
だが、夜になっても健司さんは帰らない。
何度も健司さんのスマホに連絡をするが、つながらない。
翌日、聡美さんが警察署に家出人捜索願を提出する。
その後、健司さんの勤めている会社へ行った。
健司さんの上司に話を聞いたのだが、健司さんは7月末で会社を辞めることになっていた。
聡美さんは退職の話などまったく聞いていなかった。
聡美さんは、健司さんの友人などに連絡をしたが、手掛かりはつかめなかった。
健司さんが失踪をして5日後、聡美さんは再度、警察署を訪ねた。
そして警察官から、2日前に健司さんのスマホの位置情報が「札幌駅」付近にあったと教えてくれた。
聡美さんは長男を実家に預け、3日間札幌駅をひたすらに探し歩いた。
だが、健司さんは見つからず、長男を実家に預け続けることにも躊躇され、当社へ健司さんの捜索を依頼された。
さっそく探偵が調査を開始する。
2つのチームを編成し、A班は日中の札幌駅近辺、札幌駅前通地下歩行空間、大通公園 など健司さんが滞在できそうなところを捜索する。
B班は夜の札幌駅周辺、大通近辺、ススキノなどを捜索する。
調査を開始して5日目、B班が大通公園のベンチに座っている健司さんを発見する。
すぐに聡美さんに連絡、こちらへ向かってもらう。
2時間後、聡美さんが大通公園に到着、健司さんをそっと確認してもらう。
聡美さんに健司さんであることを確認してもらう。
健司さんが逃亡することも想定し、4名の探偵が健司さんの周りをゆっくりと取り囲む。
その後、聡美さんが静かに健司さんに近づき、話しかける。
健司さんは聡美さんに何度も「心配かけてすまなかった」と繰り返していた。
そして健司さんと聡美さんは自宅へと向かった。
後日、聡美さんから連絡をいただく。
健司さんは営業成績が上がらず、社内の人間関係もうまくいっていなく、辞表を出したそうです。
だが、それを聡美さんに告げることができず、悩んでおり、突発的に家出をしてしまったそうです。
3ヵ月後、健司さんの仕事が決まったと嬉しそうな声で聡美さんから連絡をいただいた。