エルム高原に秋風が吹き始める9月。
赤平市に単身赴任中の小林努さん(41歳)の調査を妻 美幸さん(39歳)から依頼される。
小林家は5年前に岩見沢市にマイホームを建てた。
その後、努さん砂川へ転勤となった。
その際は岩見沢から砂川まで努さんは車通勤をしていた。
そして今年の4月より赤平市の中学校に赴任となった。
岩見沢から赤平までの距離は60キロ程度、毎日の通勤では無理がかかり、努さんは官舎に引越しをすることになり、単身赴任となった。
努さんは週末金曜日の夜に岩見沢の自宅へと戻り、日曜日の夜に赤平へと戻っていく生活が続いた。
だが、3ヵ月ほど前から努さんが岩見沢の自宅に戻らない週末が増えていった。
努さんは、仕事が忙しいという理由を言っている。
努さんが帰って来れない週末土曜日に美幸さんは、赤平へと向かった。
努さんを驚かそうと、赤平へ行くことを伝えていなかった。
美幸さんは預かっている合鍵で部屋へと入る。
だが、努さんはいない、学校にでも行っているのだろうか? と美幸さんと思った。
美幸さんが部屋を見回すと、とても違和感を感じた。
生活感がない、冷蔵庫も電源が切ってあり、なにも入っていない。
下着やシャツもほとんどタンスに入っていない。
美幸さんは、そのまま努さんの部屋から出てきて、岩見沢へ帰宅した。
翌日、美幸さんは当社へ努さんの素行調査を依頼された。
さっそく探偵が調査を開始する。
努さんの勤務する中学校付近にて待機する。
午後6時30分、努さんの車が校舎から出てくる。
車は官舎とは反対方向である滝川市方面へと走行を続ける。
滝川市明神町のマンション裏の駐車場に努さんの車が停まる。
そして、マンションへと入っていった。
翌日、午前7時10分 努さんと女性が出てくる。
それぞれの車に乗り込み、赤平方面へ走行を続ける。
2台の車は時間差で学校へ入っていった。
引き続き、探偵は調査を続ける。
マンションから一緒に出てきた女性は佐藤絵美さん(31歳)、努さんと同じ職場の同僚教員であった。
また、努さんの担任するクラスの副担任でもあった。
おそらく二人は半年前から浮気の関係にあったと推測された。
関係が深まるうちに努さんが絵美さんのマンションで半同棲のような生活になったようだった。
以上を依頼人である美幸さんに報告をさせていただく。
美幸さんも同棲のような関係に驚かれていた。
探偵の報告を受けた翌日、美幸さんは滝川の佐藤宅を訪ねた。
努さんと佐藤さんは驚いていたそうだ。
その日、3人で5時間の話し合いをされた。
最終的に努さんと佐藤さんは美幸さんに謝罪をして、関係を終わらせることを約束した。