小樽市在住の中畑 典子さん(31歳)からご相談を頂いたのは、
小樽の海岸が海水浴で賑わう7月。
ご相談の内容は、部屋への侵入者について。
典子さんは小樽市で一人暮らし、現在の勤務先は札幌市の会計事務所で働いている。
朝は7時台の列車に乗り札幌まで通勤する。
残業のない日は午後7時30分に帰宅する。
現在のマンションに入居して2年、
1ヶ月前から帰宅すると自分の部屋に違和感があるとのこと。
食べかけのはずのパンが無くなり、袋がゴミ箱に捨ててあったり、
朝コーヒーを飲んでいないのに、テーブルの上にカップが置いてあったりなど等。
最初は自分の勘違いと思ったが、やはりおかしい・・・。
探偵は典子さんに朝の出勤時、ドアの開閉が分かるようにマーキングをしてもらう。
その日、帰宅するとドアのマーキングが落ちている。
やはり典子さんが出勤をした後、外部侵入者がいるのである。
その結果をお聞きし、探偵は翌日から調査を開始する。
調査方法は典子さんのマンション外に調査員を1名、部屋に2名の調査員を配置。
1名は押入れの中、もう1名は浴室に隠れる。
マンション外の調査員と無線機を使って連絡を取り合う。
午後12時30分、マンション外の調査員から連絡が入る。
スーツ姿のサラリーマン風、40代の男性がマンションに入るとのこと。
1階のオートロックのドアを鍵を使って開錠する。
エレベーターが6階で止まる。
室内の調査員が、ドアの鍵を開ける音を確認すると共に、その男性が典子さんの部屋に当たり前のように入ってくる。
押入れに入っている調査員が特殊カメラでその状況を撮影する。
その男性はおもむろに自分で持ってきたコンビニ袋をテーブルに置き、
その袋からお茶とおにぎりを出し、食べだしたのである。
まるで自分の部屋にいるようである。
昼食を食べた後、その男性は部屋を慣れたように物色する。
典子さんのタンスの引き出しを開け、下着を眺めたり、本棚から雑誌を取って読んだりする。
2時間後、その男性は食べ終えたゴミを袋にまとめて持ち、ドアの鍵を閉めて出て行った。
無線でマンション外の調査員に連絡を取り、その男性の尾行を行う。
その男性の勤務先、自宅、名前などを調べる。
翌日、典子さんは警察に被害届を出す。
後日判明したことは、その男性は典子さんの前の住人であり、旭川に転勤し、
再び小樽に戻ってきたようだ。
男性はそのマンションに、以前使っていた合鍵を使って日常的に
典子さんの部屋に侵入していたようだ。
その後、典子さんは管理会社と相談の上、新しい鍵に付け替えた。