北海道大学のポプラ並木にさわやかな風が吹く4月。
札幌市在住の斉藤優樹菜さん(33歳)から夫 渉さん(42歳)の行動調査を依頼される。
渉さんの仕事は自営業で建設資材卸の会社を営んでいる。
優樹菜さんは結婚前は渉さんの会社で事務員として働いていたが、渉さんと結婚する際に専業主婦となった。
斉藤夫婦は5歳の雄太君がおり、3人家族。
依頼の内容としては、渉さんの行動に不審な点が多く、「もしや浮気」と思って・・・の依頼であった。
不審な点はいくつかあった。
帰宅時間が遅くなり、電話をかけてもでない。
「今日は残業だからね」と言っていたが、会社の前を通ると夫はいない。
「週末は東京に出張だから」と言っていないはずの渉さんの車とすれ違った。
探偵はさっそく調査を開始する。
渉さんの行動は単純であった。
会社が終わり、自宅に帰らずに、別な家に一度帰宅するのであった。
週末の出張も同じ家に行き、宿泊をしていた。
ある日曜日、渉さんが仕事と言って外出をする。
探偵が尾行するとその家に行き、未就学くらいの男の子と出てきた。
少し遅れて、30代後半の女性が出てきた。
まるで親子のようであった。
引き続き、探偵は調査を続ける。
調査の結果、その女性は渉さんの元妻(阿部美咲さん 39歳)で子供は息子 大樹君(6歳)であった。
渉さんは社員の優樹菜さんと親密な関係になり、優樹菜さんが妊娠をした。
その後、渉さんは美咲さんと強引に離婚し、優樹菜さんと結婚した。
その後、一旦は渉さんと美咲さんに交流はなかったが、大樹君の面会交流などを通じ、親密な関係になったらしい。
探偵の報告を受け、優樹菜さんは愕然とされた。
そして、探偵に言われたのです。
「奪ったものは奪われるのでしょうか?」・・・・と。