五稜郭公園の桜が満開になる4月。
函館市在住の山本孝弘さん(41歳)から妻 明美さん(39歳)の行動調査を依頼される。
孝弘さんからの職業は開業医。
明美さんは専業主婦。
ご夫婦の間には大樹君(8歳)、夏樹君(6歳)、優菜ちゃん(3歳)の3人の子供がいる。
半年前から明美さんの外出が増えてきた。
孝弘さんが仕事を終えて帰宅すると女子会と言っては外出する。
当初、孝弘さんも3人の子育てが大変だし、息抜きも必要だと思って快く送り出していた。
だが、そのたびに帰宅時間が遅くなり、当初は午後11時過ぎには帰宅していたが、
最近では午前6時なども珍しくなくなっていた。
そんな明美さんに孝弘さんも不信が高まってきた。
ある日、明美さんのスマホを覗くとラインで男性との親密なやりとりが確認された。
お互いを「アーちゃん」「イッくん」と呼び合っていた。
孝弘さんは愕然とした。
子育ての息抜きで女子会と思っていたのが、浮気相手との密会であったのだ。
だが、幼い子供たちのためにも何とか離婚を回避したい。
そのためには全容解明が必要であり、証拠も必要だと判断し、孝弘さんは探偵に調査を依頼されたのだった。
さっそく調査を開始する。
明美さんの浮気相手の男性は田中育也さん(39歳)で既婚者、自動車販売会社で営業職をしている。
明美さんとは高校時代の同級生。
調査を継続していると更に事実が判明した。
育也さんの後ろには探偵の同業者が必ずいるのです。
つまり、育也さんにも探偵がついているのです。
おそらく育也さんの妻が依頼をしている探偵だと推測できた。
探偵は依頼人の孝弘さんに報告をする。
明美さんの浮気相手は同級生の田中育也さんであること。
そして、育也さんの妻も育也さんに探偵をつけていること。
育也さんの要望もあり、探偵は弁護士を紹介した。
弁護士は育也氏に慰謝料の請求と今後の交際中止する要求をおこなった。
その数日後、育也氏の妻の代理人弁護士より明美さんに同様の要求がなされた。