札幌に秋風が吹く10月。
当探偵事務所へ阿部克典さん(33歳)から妻 恭子さん(31歳)の行動調査を依頼される。
克典さんは会社員、恭子さんは病院で医療事務の仕事についている
恭子さんの不審な行動は一年前から続いていた。
病院内のシステムを変更するための残業といって帰宅は毎日、午後10時過ぎを過ぎる。
土曜日、日曜日も仕事といって出かけていた。
当初、克典さんは恭子さんのことをまったく疑うことはなかった。
だが、友人から「おかしい」と何度も言われたそうです。
一度、夜に克典さんが職場に恭子さんの車を見に行った。
だが、病院の駐車場にも職員駐車場にも恭子さんの車はなかった。
その後、恭子さんが克典さんに突然、離婚を迫ってきたのであった。
そのような経緯があり、克典さんは探偵に依頼をされた。
探偵が調査を開始する。
恭子さんの職場の駐車場付近で待機する。
恭子さんは定時の18時に退勤する。
途中、スーパーに立ち寄り、食料品を買い込む。
恭子さんの車は自宅のすぐ近くのアパート前に止まる。
探偵は恭子さんがそのアパートに入っていくのを確認する。
30分後、そのアパートに一台の車が到着する。
若い男性が同アパートに入っていく。
その後、深夜に恭子さんは自宅に帰る。
男性はそのまま同アパートに宿泊した。
探偵は仮説を立てる。
昨日の男性は恭子さんの職場の同僚ではないだろうか・・・・と。
翌朝、男性がアパートから出てくるところから尾行をする。
結果、男性は恭子さんと同じ職場であることが判明する。
調査を継続していくと、二人はそのアパートで半同棲をしていたのだ。
男性の身元も判明する。
男性は麻生祐樹さん(24歳)で恭子さんの職場の後輩になる。
調査を進めていくと様々なことが判明した。
二人の関係は既に2年ほど続いており、職場では噂になっていた。
恭子さんは夫 克典さんに知られないように離婚の準備を着々と進めていた。
部屋を借り、家電や家具をそろえ、「あとは離婚をするだけ」となっていたのだ。
探偵の報告を受けた克典さんはあまりのことに呆然としてしまう。
克典さんが一番に驚いたのが、恭子さんが準備していたアパートの近さであった。
道路を一本挟むが、自宅の真裏。
直線距離にして50メートルという近さであった。
当然、最寄りのコンビニも、スーパーも同じ。
生活圏がまったく一緒であることであった。
おそらく恭子さんは、離婚してしまえば関係ない・・・と思い、アパートを借りたのであろう。
克典さんは今、離婚に向けて調停を行っている。