函館山の夜景がきれいに映る11月。
当探偵社へ横道博さん(33歳)から妻 優実さん(28歳)の浮気調査を依頼される。
博さんと優実さんは結婚して4年。
子供はまだいない。
博さんの仕事は公務員、優実さんはアパレル関係のお店に勤めている。
2ヵ月ほど前から優実さんの態度がよそよそしくなり、博さんと会話をしなくなっていった。
そして3週間前に博さんと優実さんはほんの些細なことでケンカになった。
優実さんは「少し独りでこれからの人生を考えたい」と半ば強引に家を出ていった。
「友達の奈央のところで泊めてもらう」と優実さんは言っていた。
博さんもその話を信じていた。
その後、数日たってから博さんが優実さんに電話をかけた。
仕事が終わっている時間に電話をかけても、電話にでない。
そして翌日のお昼休みに折り返しの電話が来る。
「昨日はお母さんと電話で話をしていたから、電話にでられなかったわ」
別の日も夜に電話をかけるが優実さんは電話にでない。
やはり翌日の昼休みに折り返しの電話がくる。
「昨日は友達の明美と電話で話をしていたから電話にでられなかったわ」
さらに数日後、優実さんから電話があり、「自分自身でよく考えたけど、離婚をしたい」と言ってきた。
博さんは戸惑い、友人などに相談する。
友人は「それはどう考えてもおかしい」、「ちゃんと調べてから結論を出した方がよい」とアドバイスをくれる。
博さんは友人のアドバイスもあり、当社へ優実さんの調査を依頼された。
さっそく探偵が調査を開始する。
優実さんは友人の奈央さんのところには泊まっていなかった。
実際は、職場の同僚の佐藤健太さん(25歳)の家で暮らしていた。
浮気をしていたというより、同棲をしていたのだった。
その後も探偵は調査を進めた。
優実さんと佐藤氏はやはり博さんが違和感を持たれた2ヵ月前より親密な関係になったようだ。
そして優実さんは博さんが優しいことを利用して、「浮気がバレないうちに博さんを説得して離婚を承諾してもらおう」と考えていたようだ。
探偵はすべてを博さんにご報告をさせていただく。
博さんは深いため息をつかれ、探偵の報告を聞かれていた。
今後については弁護士に相談しながら、じっくりと自分の答えを出していくと博さんは探偵に話されていた。