サロマ湖にも初夏が訪れる6月。
北見市在住の斉藤美穂さん(38歳)から夫 徹さん(40歳)の浮気調査を依頼される。
斉藤さん夫婦は長男 佑真君(8歳)との3人家族。
徹さんは勤務医、美穂さんは介護施設でケアマネジャーをしている。
半年ほど前から徹さんの行動に不審なことが多くなっていた。
帰宅時間が極端に遅くなり、休みも仕事といって外出する。
急患が出たといっては、夜に病院に向かう。
当直の日も多くなった。
徹さんは整形外科の医師のため、そんなに急患対応はないはずなので、美穂さんも首をかしげていた。
そんなある日、美穂さんは徹さんのズボンのポケットからコンビニのレシートを見つけた。
トマトジュースとお菓子が数点、ペットボトルのお茶を購入していた。
だが、そのコンビニは病院と反対方向で、徹さんの行動範囲の場所ではなかった。
数日後、今度はジャケットのポケットから同じコンビニのレシートを見つけた。
内容は醤油、ポテトサラダ、豆腐。
そのレシートを見て、美穂さんは徹さんの浮気を確信した。
翌日、美穂さんは探偵に調査を依頼された。
さっそく調査を開始する。
徹さんはやはり浮気をしていた。
相手の女性は浅田千尋さん(29歳)、徹さんの勤務する病院の看護師。
千尋さんは独身で独り暮らし。
徹さんは、千尋さんの部屋を頻繁に訪れていたのだった。
また、徹さんと美穂さんは、人目を気にしてか、網走まで移動してデートをしていた。
網走のホームセンターで二人はペットコーナーでいろいろと購入していた。
おそらく千尋さんは犬を飼っているのだろうと推測した。
以上を依頼人である美穂さんに報告した。
探偵の報告を聞いた美穂さんは意外な反応であった。
美穂さんは「それだったんですね」と。
探偵が「何がですか?」とお聞きすると、「私、犬アレルギーって診断されたんですよ」と答えた。
美穂さんは、2ヵ月ほど前から体のかゆみや湿疹が出てきたそうです。
病院で検査をしたところ、犬アレルギーと診断された。
だが、斎藤家には犬はいない。
実家にも犬は飼っていない。
そもそも美穂さんが犬に触れた記憶など、何十年もなかった。
謎が解けた美穂さんは夫の浮気という事実より、自分の犬アレルギーの原因が分かったことが嬉しそうであった。
後日、美穂さんは徹さん、千尋さんと3人で話し合いをした。
徹さんと千尋さんは関係をやめることを美穂さんに約束したのだった。