北海道大学のポプラ並木にも初雪が降る11月。
札幌市在住の足立美咲さん(33歳)から夫 祐樹さん(33歳)の浮気調査を依頼される。
足立さん夫婦は結婚して6年、子供はまだいない。
祐樹さんの職業は裁判官。
去年、青森から転勤で札幌に移動になった。
札幌の裁判所に移動になってから、祐樹さんの行動がおかしくなっていった。
裁判官の仕事はとても不規則で深夜に帰ってきたリ、土曜日、日曜日も裁判所に行き、滞っている案件の処理などをしている。
だが、札幌へ来てからの祐樹さんは、帰宅が遅いだけではなく、帰宅しない日も多くなっていた。
土曜日、日曜日もほぼ家にいることはなく、外出をする。
場合によっては、金曜日の夜から家に帰らず、月曜日の夜に帰宅することもあった。
いくら忙しい裁判官という仕事でも、これはおかしいと美咲さんは思ったそうです。
あるとき、祐樹さんが風呂に入っているとき、祐樹さんのスマホを覗き見た。
LINEでびっしりと女性とのやりとりが確認された。
美咲さんも祐樹さんの浮気を多少は疑っていたが、それでも「まさか」の思いが強かった。
美咲さんは、迷った末に探偵へ依頼をされた。
さっそく探偵が調査を開始する。
祐樹さんは、裁判所の一般職員の吉田葉月さん(28歳)と不倫をしていた。
家に帰って来ない日は葉月さんの家に泊まり込んでいた。
その後も探偵が調査を続けたが、やはり関係はどんどん深まっていった。
探偵は依頼人である美咲さんにすべてを報告させていただいた。
美咲さんは想定はしておられたが、やはり驚かれた。
探偵の報告を受けた翌日、美咲さんは祐樹さんにLINEで「今日は早く帰ってきてください、大事な話があります」と連絡した。
祐樹さんもある程度は想定していたのか、午後7時に帰宅した。
美咲さんは探偵に調査を依頼したこと、葉月さんとの関係を知っていること などを伝えた。
祐樹さんの逆ギレはすごかったらしい。
「探偵をつけるなんてプライバシーの侵害なんだぞ」
「彼女に連絡したら、強要罪だぞ」
「そもそも僕は裁判官だ、裁判所に顔がきくんだ」 など等、おおよそ裁判官とは思えぬ言葉を美咲さんに投げつけたそうです。
美咲さんは祐樹さんと直接、話してもらちが明かないと思い、話し合いを中断した。
後日、美咲さんの父が祐樹さんと話をしたそうです。
祐樹さんは、美咲さんの父には素直に認め、謝罪をしたそうです。
当面、夫婦は別居をすることになった。
また、祐樹さんも札幌へ転勤になったばかりであったが、九州へ転勤の辞令が出た。
裁判所の中でも、やはり祐樹さんと葉月さんの関係が噂になっており、祐樹さんも職場で問いただされ、認めた末の移動だった。