時計台の屋根にもうっすらと雪がかぶっている12月。
札幌市在住の清田孝さん(35歳)から妻 朋美さん(30歳)の浮気調査を依頼される。
孝さんは看護師、奥さんは専業主婦。
清田家には5歳の長男 翔君がおり、三人家族。
ある日、孝さんが夜勤終えを家に帰ると朋美さんは不在だった。
孝さんがハサミを探すため引き出しをあけると、産婦人科の診療明細が出てきた。
内容を見ると朋美さんが堕胎手術をしている内容だった。
孝さん夫婦はいわゆる「レス」、妊娠をする覚えは孝さんにはない。
手術日は朋美さんは実家に翔君を連れ、泊まりに行っていた日だった。
その後、朋美さんがあたかもスーパーに寄ってきたように買い物をして帰宅する。
夜、朋美さんがお風呂に入っているとき、朋美さんの財布を確認したところ、ホテルのメンバーズカードがあった。
孝さんはすぐにでも朋美さんに問いただしたかったが、離婚となると翔君の親権の問題もあるため、堪えた。
そして、翌日に当社を訪れ、依頼をされた。
さっそく探偵が調査を開始する。
調査初日は水曜日、朋美さんは翔君を幼稚園に送り出し、コーヒーショップに入店する。
探偵も入店して、朋美さんの様子を見る。
朋美さんはスマホを手早く操作している。
1時間後、朋美さんは店を出て、コンビニの駐車場で立っている。
10分後、1台の車が駐車場に入ってくる。
その車の助手席に朋美さんが乗り込む。
その後、車が走行を開始、探偵もその車を追尾する。
車はホテル駐車場に入っていく。
1時間後、車はホテルより出てきて、先ほどのコンビニに戻り、朋美さんが車から降りる。
翌日も昨日と同じコーヒーショップに行き、やはり1時間後に店を出て、昨日とは反対方向のコンビニに行く。
5分後、昨日とは違う車が迎えに来て、ホテルへと向かった。
3日目、外出はなかったが、4日目はやはり同じように男性の車が迎えにきて、ホテルへ行く。
探偵が調査をしている10日間に7回、男性とホテルへ行っていた。
探偵はさらに調査を進めた。
朋美さんは出会い系サイトで複数の男性と会っていたのだった。
金銭的な援助をうけての行為であった。
以上を依頼人である孝さんに報告させていただく。
孝さんは探偵に苦しそうに言われた。
「実は朋美とは出会い系サイトで知り合ったのです」
「昨日、息子と自分のDNA鑑定の結果が出ました」
「私の子ではありませんでした」・・・・と。
孝さんと朋美さんは1ヵ月後、離婚が成立した。