緑のふるさと森林公園にも秋風が吹き始める9月。
恵庭市在住の林由美さん(60歳)から夫 健一さん(65歳)の調査を依頼される。
林さん夫婦は互いに離婚歴があり、知人を通じて知り合い、20年前に再婚をされた。
それぞれ子供も独立しており、夫婦二人の生活であった。
健一さんは札幌の病院で医師として勤務しており、恵庭の自宅から車を使って通勤をしている。
10年ほど前に健一さんは職場での立場が変わり、仕事が激務になり、帰宅もほぼ深夜になっていた。
また、仕事が立て込んでいるときは、職場に泊ることも多い。
あるとき、健一さんの書斎を掃除していると、クレジットカードの請求書が落ちていた。
何気なく見ると、その請求書には札幌のスーパー、ホームセンター、飲食店などでの利用が確認された。
普段、スーパーやホームセンターに行くことのない健一さんだったため、由美さんはとても不信に思った。
由美さんはそれまでも健一さんの行動にいくつもの不信感を持っていたが、あえて考えないようにしていた。
由美さんは迷い、悩みながら当社を訪れ、健一さんの調査を依頼されたのだった。
さっそく探偵は調査を開始する。
札幌市内にある健一さんの勤務先病院で待機する。
午後6時50分、通用口から健一さんが出てきて、職員駐車場に駐車している車に乗り込み、走行を開始する。
健一さんの車は病院から10分ほどの場所にあるマンション駐車場に入場する。
そして車を駐車場に置き、マンションへと入っていった。
午後11時50分、健一さんがマンションから出てきて、駐車中の車に乗り込み、走行を開始する。
その後、深夜に恵庭の自宅に帰宅する。
翌日も健一さんは、午後6時に仕事を終え、昨日のマンションへと向かった。
午後7時、由美さんに健一さんから連絡が入る。
「今日は病院に泊り込み、仕事をする」・・・と。
翌日、健一さんはマンションからまっすぐに職場の病院へとむかった。
引き続き、探偵は調査を続ける。
そのマンションには健一さんの勤務する病院の看護師、吉田瑠美さん(38歳)が住んでいた。
健一さんは吉田さんと不倫関係にあり、二重生活をしていたのだった。
探偵が二人の関係性を調べていくと、おそらく10年ほど前から不倫関係にあったようだ。
健一さんが仕事が激務になったと言っていたころからの関係であることが推測された。
また、吉田さんを調べると10年ほど前に離婚をしていた。
更に吉田さんのマンションは健一さんが購入していたことも判明した。
以上を依頼人である由美さんに報告させていただく。
探偵の調査経過においての報告もあり、由美さんはある程度の調査結果は推測されていたが、やはりショックは大きかったようだ。
由美さんはポツリと「10年も騙されていたんですね、私は・・・」とつぶやかれた。
その後、由美さんは健一さんとの離婚を決断する。
そして慰謝料、財産分与などを受け取り、半年後に離婚が成立した。