札幌大通公園の景色も春を感じられる4月。
中村静香さん(33歳)からご依頼をいただく。
内容は23年前、札幌に住んでいたときに隣のアパートに住んでいた「田中さんのおばさん」を探してほしいとのこと。
静香さんが8歳のとき、お母さんが病気で亡くなられた。
お父さんは、建設会社で働きながら静香さんを一生懸命に育ててくれた。
だが、仕事で遅くなるときなどは、近所のコンビニでパンなどを買って食べていた。
そんなとき、隣の田中さんのおばさんが声をかけてくれた。
静香さんの幼いときの記憶だが、おばさんは50歳くらいで病院などのお掃除の仕事をされていた。
おばさんが「うちでご飯を食べていきなさい」と言ってくれた。
おばさんの焼いてくれた甘い卵焼きがとてもおいしく、お母さんを思い出して泣き出してしまった。
おばさんは、そのときそっと抱きしめてくれ、「寂しくなったらいつでもおばさんのところへおいで」と言ってくれた。
その日から、いつも静香さんのことを気にかけてくれたおばさん。
お父さんも自分の帰りが遅いときなどは田中のおばさんのところに行っていることで安心していた。
2年後、お父さんが旭川の会社に転職することになり、札幌を離れることになった。
田中のおばさんは「いつでも遊びにおいでね」と泣きながら言ってくれた。
そのとき、おばさんから貰ったミッキーマウスのぬいぐるみは今も大切に持っている。
旭川で暮らし始め、寂しくていつも田中のおばさんのことを思い出していた。
それから23年、静香さんは結婚を機に札幌へと戻ってきたそうです。
すぐに田中のおばさんのアパートを訪ねた。
だが、アパートは取り壊され、コインパーキングに変わっていた。
静香さんは近所を聞いて歩くが、手掛かりすらつかめなかった。
そして翌日、当社を訪れ、田中のおばさんの所在調査を依頼された。
さっそく探偵が調査を開始する。
アパートが取り壊されたのは5年前であることが分かった。
そのときの土地の所有者がおそらくアパートのオーナーと推測された。
2週間後、当時のアパートのオーナー 鈴木さんと会うことができた。
探偵が静香さんと田中さんの当時の事情をお話し、静香さんが田中さんを探していることを伝える。
鈴木さんは理解をしてくださり、田中さんの住所を教えてくれた。
田中さんはアパートが壊される際に白石区にある市営団地に引っ越されていた。
すぐに探偵が田中さんを訪ねる。
田中さんに静香さんがお会いしたいことをお話する。
田中さんはとても喜んでくださり、静香さんと会っていただくことを快諾していただいた。
翌日、静香さんが田中さんのお宅を訪ねる。
「シズちゃんかい」「大きくなったね」、「会いたかったよ」、「会えておばさん、嬉しいよ」と
息もつかないほどに静香さんに話しかけてくれた。
静香さんも「おばさん、おの時は本当にありがとう」と手を握りながら、泣いておられた。
田中さんも「嬉しいね、生きていると良いことがあるんだね」とうなずかれておられた。
