雪解けが進む3月。
旭川市在住の小林圭太さん(35歳)からご依頼をいただく。
内容は圭太さんが3歳から6歳くらいまで育ててくれた継父 佐藤健司さん(65歳)の所在調査(行方調査)であった。
圭太さんは私生児として産まれ、実父を知らない。
2歳の頃、母が健司さんと結婚され、初めてお父さんができたことを今でも覚えておられる。
健司さんはとても優しく、いつも公園などで遊んでくれたことを幼い記憶で残っていた。
だが、圭太さんが6歳のとき、母と健司さんは離婚された。
お義父さんがいなくなり、圭太さんは寂しかった、とても寂しかったそうです。
その後は祖父母の家で母、祖父母と暮らし、育った。
祖父母も亡くなり、母も昨年病気で亡くなってしまった。
天涯孤独となった圭太さんだった。
そんな圭太さんも今年6月、結婚式をあげることになった。
圭太さんはその結婚式に健司さんに出席してほしかった。
自分なりに聞いて歩いたが、30年前のことで手掛かりがつかめない。
市役所にも相談に行くが、養子縁組が解消されており、戸籍上の追跡は無理であること言われる。
そして知人の紹介で当社を訪れ、佐藤健司さんの所在調査を依頼されたのだった。
さっそく探偵が調査を開始する。
調査には一ヶ月を要した。
健司さんは函館に住んでおられた。
圭太さんの母と離婚後は独身で過ごされ、函館の水産工場で働かれていた。
探偵が健司さんの家を訪問させていただく。
圭太さんが健司さんに会いたがっていること、
結婚式に出席していただきたいと思っていること、などをお伝えする。
健司さんは涙をこぼされながら、探偵に言われた。
「圭太が俺に会いたがってくれているのかい」
「嬉しいよ、長生きってするもんだね」
「俺なんかが結婚式に出ててもいいのかい」
「嬉しいよ、圭太が結婚するなんて、これ以上の嬉しいことはないよ」
最後に健司さんは、「喜んで出席させていただくよ」と言ってくださった。
探偵はすぐに依頼人である圭太さんに報告にうかがう。
圭太さんは健司さんが見つかったこと、結婚式に出てもらえることをとても喜んでおられた。
翌週、圭太さんは彼女を連れ、函館へと向かった。
健司さんに結婚の挨拶に行かれた。
