金森倉庫に観光客が賑わう7月。
函館市在住の森田洋さん(36歳)から妻 裕美さん(35歳)の調査を依頼される。
洋さんは公務員、裕美さんは以前はハンバーガー店で働いていた。
友人の紹介で知り合い、交際2年を経て結婚して1年。
そして、生後2か月の長男 悠馬君を入れての3人家族。
だが、先日、裕美さんは育児が負担で鬱になったと言い、実家のある室蘭に帰ってしまった。
洋さんもできるだけ育児に取り組んでいたのだが、裕美さんはだんだんと元気がなくなっていた。
実は結婚後、洋さんと裕美さんの関係はうまくいっていなかった。
裕美さんから離婚を迫られることもあったようだ。
だが、裕美さんの妊娠をきっかけに互いに夫婦関係を立て直そうと約束しあった。
裕美さんはゆっくりしたいから、実家にはなるべく来ないでほしいと言っていた。
洋さんも、そういわれ、実家に行くことを遠慮していた。
だが、実家に帰ってから裕美さんから連絡が全く来ない。
LINEをしても返信はなく、電話をしてもでない。
実家のお義母さんに電話をするが、「今、ちょっと具合が悪くて寝ているの」と歯切れが悪い。
室蘭にいる友人に頼んで、裕美さんの実家を見に行ってもらうが、いつ行っても裕美さんの車が止まっていないそうだ。
洋さんは「何かおかしい」と思った。
そして、当社へ裕美さんの所在調査(本当に実家にいるのか?)と生活状況の調査を依頼された。
さっそく探偵が調査を開始する。
室蘭の裕美さんの実家付近にて調査をする。
3日ほど張り込みをするが、裕美さんらしき人物が確認できない。
また、裕美さんが乗っていったはずの車もない。
その後も探偵は調査をおこなう。
裕美さんは室蘭の実家ではなく、函館にいたのだった。
裕美さんは太田健一さん(35歳)と暮らしていたのだ。
探偵の調べで裕美さんと健一さんは高校時代の同窓生であることが判明する。
そして、裕美さんは洋さんと結婚した後、健一さんと不倫関係にあったようだ。
以上を依頼人である洋さんに報告させていただく。
洋さんは愕然とするとともに、「謎がとけた・・・・」とポツリと言いました。
裕美さんが妊娠をした際、洋さんは「エッ」と思ったそうです。
翌日、洋さんは裕美さん、健一さんと話し合いを持った。
裕美さんは「悠馬は健一さんとの子供です」と認めた。
そのとき、洋さんは握りこぶしを振り上げないように苦労したそうです。
10日後、洋さんはDNA鑑定の結果を得て、悠馬君との親子関係不存在の手続きを裁判所におこなった。
また、裕美さんと健一さんには慰謝料の請求をおこなった。